はがきサイズのインクジェット用紙比較
なぜにはがきサイズ?
L判だとちと写真データを印刷しても小さくて見栄えが良くないというか貧乏臭い。しかし、2L判だと場所を取るし、さすがにL判と比較すると紙代もインク代も高い。
そこで間をとってはがきサイズです。自家製ポストカードなんてのにもそのまま使えますしね。
とりあえず、条件みたいなもの。
写真画質用光沢タイプで注文しないと手に入らないようなのは除外。
で今回仕入れてきたのが5種類です。
- EPSON フォト・クオリティ・カード2(PMHSP1)
PMシリーズ用(染料用?)・20枚入り・郵便番号枠あり
\250(コジマ)
1枚あたりの値段\12.5
- CANON Professional PHOTOはがき(PH-101)
20枚入り・郵便番号枠あり
\490(コジマ)
1枚あたりの値段\24.5
- KONICA MINOLTA インクジェット写真用紙 光沢 超厚手
ハガキサイズ 30枚(QPS30PCGSH)
染料顔料対応・30枚入り・郵便番号枠なし・裏面印刷不適
\630(コジマ)
1枚あたりの値段\21
- FUJIFILM 画彩 写真仕上げAdvance はがきx20枚(WPC20A)
20枚入り・郵便番号枠あり
\450(コジマ)
1枚あたりの値段\22.5
- シャープドキュメントシステム 光沢紙ハガキ 110枚(IJ157KCZ)
110枚入り・郵便番号枠あり
\714(ヨドコム)
1枚あたりの値段\6.5
当初、はがきとして実用可能な製品だけを選ぶつもりでしたので「画彩
写真仕上げ Pro」などは裏面に印刷適性が無いため除外しました。
しかし、買ってから気づいたのですがコニカのも裏面に印刷適正のない製品でした。
パッケージの裏に小さく書いてあるだけなので非常に紛らわしいです。
パッケージの表にも誰でも気づくように表示することを望みます。
印刷する前に眺めてみた感じ
- 使用前の色合い
キヤノンのが黄色いです。
インクジェットの場合は白い個所や明るい個所はすなわち紙の色になるのでキヤノンの用紙では純白が薄く黄色になるということです。
エプソンとシャープもわずかに黄色いのですがキヤノンほどではないです。コニカとフジが比較的ちゃんとした白になっていますがコニカがわずかに青みがかっています。というわけでフジが一番色がついていない感じなのですが、すこし白が暗めなのが気になります。
というわけでキヤノン以外は特に気にする必要が無さそうです。
- 光沢感
キヤノンがダントツです。ツルツルテカテカが好みならキヤノンです。
逆に一番光沢が抑えられているのがエプソンです。光沢が抑えられているというより紙の表面の平滑さが一目見て他製品より劣ってます。
- 紙厚・紙質・手触り
コニカが一番厚いのでしっかりした感じ
エプソンは紙が薄い上にコシがなく、表面がべたつくので気分が悪いです。
キヤノンは厚くはないもののコシがあり、一番表面がつるつるしています。
印刷する前の判断
エプソンは一番安価なシャープより良い印象が無いです。
キヤノンは黄色いのが最大の弱点。それが気にならなければつくりは悪くないと思います。
コニカは厚みがいい感じ。値段が手ごろなのに一番高級感があります。しかし、裏面に印刷適性がないので用途によっては初めから選択肢外。
フジは特に弱点なし。ただし、紙が色づいてはいないものの気持ち白さが足りないかも?といっても無難な選択
シャープは枚数が多いお徳用パックなのでコストパフォーマンスがいいです。ちょっと厚みが足りない以外は致命的な弱点もなさそう。
印刷前のランキング
値段無視だと
コニカ>フジ>シャープ>キヤノン>エプソン
値段考慮すると
コニカ>シャープ>フジ>キヤノン>エプソン
ただしコニカは裏面に印刷する目的があるなら一気に選択肢外
印刷後の評価
印刷に使用したのがブラザーのDCP-110C。
CMYKの4色インクでCMYインクが染料タイプでK(黒)インクのみが顔料タイプ。
よって色のりと黒ののり具合で顔料と染料どちらに向いてるか推測できそうです。
RGBKのテスト印刷
CMYKにした方が良かったかもしれないけど気にしないw
- エプソン
色のり(染料)は良い。ただし、色の濃度の落ち方がゆるい。
黒ののり(顔料)は普通。
紙が黄みがかってるためハイライトが気持ち黄色い。
-
キヤノン
色のりは良い。また鮮やかな色が出てる。
黒ののりが良くない。
紙が黄みがかってるためハイライトが気持ち黄色い。
- コニカ
色のりは非常に良くない。色の濃度の落ち方が急。
黒ののりは非常に良くない。黒の濃度の落ち方が急。
紙が青みがかってるためハイライトが青く、中間〜シャドーもインクののりが悪いのでうっすら青い。
- フジ
色のりは普通。
シャドー部の黒ののりは最も良い。ただし、黒の濃度の落ち方が急。
紙に色が付いていないので色合いは忠実っぽい。
- シャープ
色のりも黒ののりも良い。黒の濃度が落ち方がゆるい。
紙が黄みがかってるためハイライトが気持ち黄色い。
実際の写真でテスト
-
エプソン
全体的に濃い。
発色は少し濁っている。
黒は薄くはないがにじむ。
-
キヤノン
全体的には濃くもなく薄くもない感じ。
発色は鮮やか。
黒が薄くてしまらない。
- コニカ
全体的に非常に薄くてしまらない。
青みがかる。
- フジ
発色は普通。
シャドー部の黒がとてもよく良くしまってる。対して中間〜ハイライトの黒がエプ・キヤノ・シャープより気持ち薄い。
結果としてコントラストがついてすっきりした印象。
- シャープ
全体的に濃い目。中間〜ハイライトがもう少し薄い方が抜けがよくなりそう。
発色は派手。
シャドー部の黒はしまっている。
光沢感・紙厚・紙質など
- エプ
光沢感が乏しく、表面が滑らかでない。こすったりすると汚くなりやすい。紙が薄くてコシがないです。
- キヤノ
光沢感は最高。紙厚はあまりないもののコシが強いです。
- コニカ
光沢感は普通。紙がかなり厚いのでしっかり感はあります。
- フジ
光沢感は普通。
- シャープ
光沢感は普通。紙が薄い。エプソンよりはコシのある紙質。
インク適性
-
エプソン
パッケージにPMシリーズ用と書いてあるとおり顔料インクののりはよくないです。
ただし、顔料タイプでもどうにか使えそうな感じです。
- キヤノン
キヤノンのプリンターがやはり染料タイプなので顔料インクへの適性はなし。
染料インクの発色が非常に良いので顔料タイプのプリンターでは使うのがもったいない。
- コニカ
パッケージには顔料・染料両対応とありますがタイプを問わずインクののりが良くないです。
まぁ、両不対応といったところ・・・か
- フジ
顔料と相性がよさそうです。染料は少しのりが劣るものの薄くて使えないレベルでは無いです。
- シャープ
顔料・染料ともに十分なのりが期待できそうです。
総合
- エプソン
印刷前には一番印象が悪かっただけに印刷結果を見ると安い割に良いじゃんと感じました。
しかし、やはり光沢感が乏しく紙がぺらぺらと紙質がチープ。耐久性も悪そう。
- キヤノン
黒がしまらないのは黒インクが顔料だからだと推測できます。
染料インクの発色がかなり良かったので仮に黒,も染料タイプのプリンターなら印刷結果では最上位になったかもしれません。
光沢感も最高です。耐久性もありそう。しかし、この紙って一番割高なんですよね。
少なくとも今使ってるプリンターでは積極的に買う気にはならないです。
- コニカ
紙がかなり厚くて高級感があるのに値段もキヤノンやフジより安くて印刷前は非常に好印象でした。
しかし、印刷してみるとインクののりが非常に悪いうえに青みがかって最悪。
パッケージには染料・顔料両対応と明記してあるわりに染料・顔料ともにだめな感じです。
裏面への印刷適性が無いことも考えると選択肢外かも?
- フジ
色のり(染料タイプ)はエプ・キヤノ・シャープに劣りますがコニカのように薄いとまで感じることはありません。
また、うちのプリンターだとシャドー部の黒が非常によくしまって中間〜ハイライトの黒が気持ち薄めなので
コントラストが強くすっきりした感じに仕上がります。
パッケージには特に顔料対応とは明記してありませんが顔料と相性はいいのかもしれません。
- シャープ
一番安いのにまとも。
色のりも黒のしまりも悪くなく、光沢感が乏しいわけでもないです。紙の厚みだけは値段相応ですがエプソンと同じ程度で、エプソンよりコシがあります。
ちなみに、この商品だけ110枚パックのお徳用なので20〜30枚入りの他製品と比べるのは少しフェアじゃない気もします。
が、もっと枚数の少ない50枚パックでも\500程度なのでやっぱり安くてお得です。
お勧めは
ずばり、フジとシャープです。この二つは顔料でも染料でも問わず使えそうです。うちのプリンタだと濃い目・派手目希望ならシャープ、
すっきりしたのが希望ならフジです。
特にシャープは値段も安いので常用にはお勧めです。
プリンターが染料ならキヤノンもありですが、顔料では性能を発揮できなそう。高いですしね。
エプは値段が手ごろですがさらに安いシャープと比べるといいところがほとんどなく、あえて選ぶ意味はブランドイメージしかないと思われます。
コニカは厚手の紙質が当初かなり期待させてくれましたが印刷結果が最悪と・・・地雷認定をしてあげます。
値段も含めた印刷後のランキング(うちのプリンタの場合)
シャープ>フジ>>エプ=キャノ>>>コニカ
値段無視ならフジとシャープが好みによってはどちらも良好な画質なので同列1位
キヤノは染料タイプのプリンターなら大逆転ありそう。
次のネタ(予定は未定)
今回プリントしたものを日光が当たるところに数週間〜数ヶ月放置して耐久性テスト
あとは水でぬらして落ち具合を見るテスト 紙のサイズというとA4やらB4やら有名です。
05/10/6