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C41処理のモノクロフィルム(色素画像フィルム)

色素画像フィルムとは

 モノクロフィルムは自家現像や自家プリントをしないと仕上がりに時間がかかります。殆どの町のDPEにはカラーネガ用の設備しか設置していないので外注処理として設備のある基幹ラボやプロラボに送られるからです。速くて中1日ぐらいですね。対して、カラーネガなら町のDPEで速ければ30分程度で同時プリントが出来てしまいます。これはモノクロの自家現像や自家プリントが出来る環境でも、この速さには到底かないません。
 そういう時に重宝するのがカラーネガの現像処理(C41)で現像できるモノクロフィルムです。これは色素画像フィルムと呼ばれていて、現像だけでなくカラーペーパーにプリントも可能な為、カラーネガの同時プリントと同一の速さで現像とプリントが出来ます。
 ただし、モノクロと言うよりモノトーンといった方がよく、色が微妙についたプリントに仕上がることが多いのが難点です。しかし、それは従来のアナログタイプのミニラボの話でデジタルタイプのミニラボではほぼモノクロに近い色調で仕上がります。ただ、デジタルタイプのミニラボではカラーネガからモノクロ調プリントを作成することが出来ますし、現像は兎も角プリントのみなら従来からのモノクロフィルムからでもプリント出来てしまいます。なお、私自身はモノクロフィルムの自家現像のみで自家プリントはやっていませんが、カラーペーパーへのプリントだけでなく色素画像フィルムを利用して従来のモノクロフィルム同様にモノクロペーパーにプリントすることも可能です。

色素画像フィルムの銘柄ごとの紹介

 まず、カラーネガフィルムと通常のモノクロネガフィルムの画像(コマとコマの間の部分です)を載せておきます。なお、キヤノンのフラットベッドスキャナCanoScan8000Fで取り込んでいますが、出来る限る客観的な比較が出来るようにしたものの、ばらつきがないとは思いませんのでその辺を考慮してください。

・カラーネガ

フジのスペリア100です。ベース色はオレンジ色です。他のカラーネガでも同じようにオレンジ色のベース色をしていますが、濃いものだったり薄い物だったり多少の差異はあります。

・通常のモノクロネガ

コダックの100TMAXです。これはコダック系の基幹ラボでTMAX純正処理で現像してもらったものです。青っぽいグレーのベース色ですが、私自身が自家現像したものはここまで青っぽくはないグレーのベース色をしています。しかし、私の現像処理はかなりいいかげんですので私が現像したものでなくラボで現像したものを載せました。どちらにしても、カラーネガに比べると薄いブルーやグレーの無彩色となっています。

 これから載せる色素画像フィルムのサンプル3種は全て同じネガ現像機で処理しています。それはサンプルの客観評価の為にしていますが、前述の通り私のスキャニングが完璧ではないと思いますので参考程度に考えてください。

・XP2Super

イルフォードのXP2スーパーです。色素画像フィルムの中では歴史のあるフィルムです。ベース色は通常のモノクロネガに似たブルーがかった薄いグレーです。そのことからも現像処理自体はC41で行うもののプリント自体はモノクロペーパーにすることが前提とされています。カラーペーパーへのプリントももちろん可能ですが色が付きます。
また、数年前に中身に間違えて通常のモノクロフィルムを入れてしまうという製造ミスが起こったので一部のDPEでは受付拒否や店内処理でなく(時間のかかる)外注処理にまわされてしまうことがあります。

・T400CN

コダックのT400CNです。XP2に比べると大分モノクロネガよりカラーネガのベース色に近づいています。そういうわけでカラーペーパーへのプリント適正が上がると言うことです。それでも色が付きますが…
他の特徴としては非常に軟調なフィルムで女性ポートレートなどには良いかもしれません。ブライダルカメラマンが白黒を必要とする時に選択することも多いようです。
最近、名前などが変わるという噂もありますが中身は変わらないだろうということらしいです。

・PORTRA400BW

2002年発売と後発のコダック製の色素画像フィルムです。カラーネガのベース色と殆ど見分けのつかないようなオレンジ色をしています。それはカラーペーパーへのプリント適正をあげるということでXP2やT400CNのように色が付きにくくするということです。そのかわりにモノクロペーパーへのプリント適正はさがり、コダック自身もモノクロペーパーにプリントするならT400CNの利用を推奨しています。

と、3種類の色素画像フィルムを紹介しましたが、全てISO400のフィルムです。ISO400ですがきめの細かい画質が特徴で通常のモノクロフィルムのISO400よりは有利と言われています。しかし、その特徴もまたモノクロっぽくないと言われる一因になります。
また、ここであげた3種類以外にもイルフォードとの共同開発でフジフィルムも色素画像フィルム(Neopan400CN)を出していますが、日本では販売されていません。他にもコニカでは色素画像フィルムを利用したモノクロのレンズ付きフィルムを製造していますがフィルム単体での販売はありません。コニカのセピアフィルムも色素画像フィルムそのものと言える技術のようですが35mm判は現行製品ではないようです。

個人的な感想

 03年の夏にモノクロの自家現像をはじめるまでは色素画像フィルムをよく利用していました。しかし、自家現像開始後は殆ど利用していません。とはいえ、30分そこらで同時プリントが出来てしまうことやDPEショップのネガ現像機は自家現像とは比べ物ならないくらい仕上がりが一定していることもメリットです。主なデメリットはフィルム自体が通常のモノクロフィルムよりも高いことや現像料金も自家現像に比べれば高いことです。
 というわけで、自家現像も未処理のフィルムがたまると非常に面倒な作業になります。懐に余裕があればまた利用するかもしれません。

2004/2/24作製

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